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恐怖と欲望指数

投資用語
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株式市場の投資家の感情を反映した数値のこと

超簡単な説明

恐怖と欲望指数は、株式市場の感情を数値で表したものです。市場が怖がっている時は指数が低く、欲が強い時は指数が高くなります。英語ではFear and Greed Indexと言います。

由来

この指数は、投資家の感情や心理を数字で表現するために作られました。「恐怖」というのは市場が不安定で株価が下がる時の感情を、「欲望」とは市場が好調で株価が上がる時の感情を表します。

この指数は、CNN Businessによって提供されています。この指数は、異なる7つの市場指標を使って計算され、株式市場の投資家の感情を反映しています。これらの指標には、市場のボラティリティ(変動性)、市場の動き、投資家のセンチメントなどが含まれます。CNN Businessのウェブサイトでは、現在の恐怖と欲望指数の値を確認することができ、どのような市場状況が現在進行中かを示すグラフィックと共に表示されています。

Fear and Greed Index - Investor Sentiment | CNN
CNN’s Fear & Greed Index is a way to gauge stock market movements and whether stocks are fairly priced. The index uses seven market indicators to help answer th...

具体的な説明

恐怖と欲望指数は、特定の市場データ、アンケート、価格変動などを基に計算されます。この指数は0から100までの範囲で示され、50が平均値です。50以下は恐怖を、50以上は欲望を示しています。この指数を利用して、市場の一般的な感情がどのように変動しているかを投資家は判断することができます。

恐怖と欲望指数を構成する7つの市場指標には以下です。これらは投資家の感情や市場の動向を測るために使われています:

  1. 株価の強さ(Stock Price Strength)
    • 特定の株が新しい高値をつける数と新しい安値をつける数の比率を測定します。
  2. 株価の幅(Stock Price Breadth)
    • NYSE上で上昇している株と下落している株の割合を比較することで市場の広がりを示します。
  3. 市場のボラティリティ(Market Volatility)
    • VIX指数としても知られる、市場の恐怖指数を用いて市場のボラティリティを測ります。
  4. プットとコールのオプション(Put and Call Options)
    • プットオプションとコールオプションのボリューム比率を測定し、市場のセンチメントを評価します。
  5. ジャンクボンドのデマンド(Junk Bond Demand)
    • よりリスクの高いジャンクボンドへの投資需要を測定します。高リスク資産への需要が高い時は、市場の欲望が高まっていることを示します。
  6. 市場の安全性への回帰(Safe Haven Demand)
    • トレジャリー債への需要を比較し、投資家がより安全な資産に逃避しているかどうかを確認します。
  7. 市場の過熱度(Market Momentum)
    • S&P 500指数がその125日移動平均よりどれだけ上にあるかを測定します。これは市場の過熱を示す可能性があります。

これらの指標は組み合わせて、市場の感情のバランスを示す数値、すなわち恐怖と欲望指数を形成しています。この指数を通じて、投資家は市場の感情が恐怖か欲望かを判断し、それに応じた投資戦略を立てることができます。

恐怖と欲望指数において、50は市場の感情が平衡状態にあることを示します。具体的な数値の目安としては、以下のように考えることができます:

  • 0から20の範囲:この範囲は「極端な恐怖」を示しており、多くの投資家が市場から退くか、非常に慎重になっている状態を反映しています。この時、株価は過小評価されている可能性が高く、投資の機会と見ることもできます。
  • 21から49の範囲:この範囲は「恐怖」を示しており、市場の参加者が慎重または不安な状態にあることを意味します。株価の下落を恐れる投資家が増え、売りが優勢になることが多いです。
  • 50から74の範囲:この範囲は「欲望」を示しており、市場の参加者が比較的楽観的であること、株価の上昇を期待していることを反映しています。この時、市場は活気づいている可能性があります。
  • 75から100の範囲:この範囲は「極端な欲望」を示しており、市場の参加者が非常に強気で、株価が急激に上昇している状態を表します。こうした極端な欲望は、市場が過熱しているサインであり、バブルの可能性や、将来的な価格調整(下落)に対する警戒も必要です。

これらの数値は、市場の一般的な感情の状態を把握するのに役立ちますが、投資判断を行う際には他の経済指標や市場データと併せて考慮することが重要です。

例文

「この恐怖と欲望指数が30を下回っているため、多くの投資家が現在株を買うのを恐れているようです。」

よくある質問

  1. この指数はどれくらいの頻度で変わりますか?
    • 恐怖と欲望指数は市場が開いている間は常に更新され、変動します。
  2. この指数がとても高い時、私たちはどうしたらいいですか?
    • 指数が高い時は市場が過熱している可能性がありますので、投資を急がずに慎重に行うことが大切です。
  3. 指数が低いとどうなりますか?
    • 指数が低いということは、市場に恐怖が広がっている時です。この時期には価格が下がる可能性が高いですが、投資のチャンスとも言えます。
  4. この指数を見るときに注意すべきことはありますか?
    • この指数はあくまで市場の感情を示すもので、他の多くの要因と組み合わせて分析することが重要です。
  5. 過去に20以下だった時期と要因はなんですか?
    • 恐怖と欲望指数が20以下となる「極端な恐怖」の状態は、市場が大きな危機や不確実性に直面している時に観測されます。このような値は、市場参加者が非常に悲観的であることを示しており、しばしば大規模な売りが発生しています。過去にこのような状態になった主な時期とその要因は以下の通りです。
    • 2008年の金融危機
      • 2008年に起きた世界的な金融危機の間、株式市場は急激な下落を経験しました。これは、米国のサブプライムモーゲージ危機が引き金となり、世界中の金融機関が巻き込まれる形で展開されました。この時期、恐怖と欲望指数は何度も20以下に落ち込み、投資家の間には深刻な恐怖が広がりました。
    • 2011年の欧州債務危機
      • 2011年には、ギリシャを中心とした欧州債務危機が発生し、ユーロ圏の経済安定性に対する懸念が高まりました。この影響で、恐怖と欲望指数は20以下に低下し、市場は大きな不安に見舞われました。
    • 2020年の新型コロナウイルスのパンデミック
      • 2020年初頭、COVID-19が全世界でパンデミックとなり、多くの国で経済活動が停止しました。この結果、株式市場は大暴落し、恐怖と欲望指数は10未満という極端な低さを記録しました。この時期、市場の不確実性とリスク回避の動きが顕著でした。
    • これらの時期は、市場が極度に恐怖を感じていることを示しており、多くの場合、経済全体の不安定性が原因でした。恐怖と欲望指数がこのように低い時は、市場が売り圧力に見舞われ、価格が大幅に下落することが一般的です。しかし、これらの極端な恐怖の時期は、時には買いの機会とも考えられます。投資家が市場の過剰反応を見極め、価値ある資産を割安価格で購入できる可能性があるからです。
  6. 逆に75を超えた時期と要因は?
    • 恐怖と欲望指数が75を超える「極端な欲望」の状態は、市場が過剰に楽観的である時、または強気な動きが顕著である時に見られます。このような状態は、一般的には市場が上昇している時や投資家がリスクを取ることをいとわない時に発生します。以下に、このような時期とその要因を説明します。
    • 2013年の株式市場のラリー
      • 2013年には、アメリカの経済が回復し始め、連邦準備制度(FRB)が低金利政策を継続することを確認した後、株式市場は強い上昇トレンドを見せました。この時期に恐怖と欲望指数は75を超え、市場の楽観主義が高まりました。
    • 2017年の株価上昇
      • 2017年も株式市場は強気な一年でした。アメリカの企業収益の増加や政治的な安定が背景にあり、S&P 500などの主要な株価指数は連続して新しい高値を記録しました。この年の大部分で恐怖と欲望指数は75以上を維持しました。
    • 2019年末から2020年初頭
      • 2019年末から2020年初めにかけて、株式市場は再び強い上昇を見せました。この時期は、技術株を中心に市場が好調で、多くの投資家が積極的に株式を購入していました。この影響で恐怖と欲望指数はしばしば75を超える高い水準にありました。ただし、その後すぐにCOVID-19のパンデミックが全世界に広がり、市場は大きく落ち込みました。
    • これらの例からもわかるように、恐怖と欲望指数が75を超える時期は、市場が非常に強気であり、株価が急速に上昇していることを示しています。しかし、このような「極端な欲望」が示される時は、市場が過熱している可能性があるため、バブルのリスクや将来的な価格調整に対する警戒も必要です。投資家は過剰な楽観に流されず、市場の動向を冷静に分析することが求められます。
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