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黄金株(拒否権付種類株式)

Golden Share 投資用語
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特別な力をもった株のことで、大切な会社の決定を止めたりできる特別な株のこと

超簡単な説明

「黄金株」は、ふつうの株とちがって、すごい力をもっています。この株をもっていると、「この決まりはダメ!」と会社の大事な話し合いを止めることができるんです。

由来

「黄金株」という名前は、「金(ゴールド)のようにとても大事で特別な株」という意味からきています。本当の名前は「拒否権付種類株式(きょひけんつきしゅるいかぶしき)」ですが、長いので「黄金株」とよばれることが多いです。

具体的な説明

黄金株は、会社の支配権を守るために使われる特別な種類株式です。企業が合併や事業譲渡などの重要な意思決定を行う際に、その内容に拒否権を行使することができる株です。これは、企業買収を仕掛けられたときなどに、創業者や親会社が会社を守るための防衛策として用いることがあります。

黄金株は、ある特別な種類の株式で、「拒否権」をもっています。つまり、会社の大きな決定(たとえば合併や買収など)に対して、「その決定には反対!」と一株だけでも反対して止めることができる力があるのです。

この株は、たとえば会社を守りたい創業者や親会社などがもつことが多いです。他の株主がたくさんいても、黄金株があると会社ののっとり(敵対的買収)を防ぐことができます。

黄金株は、会社の安定性や経営方針を守るのに役立ちますが、使い方をまちがえると他の株主の意見を無視してしまうおそれもあります。使いどころがとても大事な「両刃の剣」のような存在です。

例文

「A社は買収をふせぐために親会社に黄金株をもたせています。」

よくある疑問

Q:黄金株はどの会社でも発行しているの?

A:いいえ、黄金株はすべての会社が発行しているわけではありません。日本企業で黄金株を発行しているのはインペックスだけです。この黄金株は、経済産業大臣が保有しています。

黄金株(拒否権付種類株式)は、特別な目的があるときだけ発行されます。たとえば、

  • 敵対的買収をふせぎたいとき
  • 創業者の意見を大事にしたいとき
  • 会社の経営の方向を守りたいとき

Q:現在、アメリカで黄金株を発行している企業はありますか?

A:現時点(2025年5月)では、アメリカで正式に黄金株を発行している上場企業は確認されていません。

Q:黄金株にはどんなデメリットがありますか?

A:黄金株にはいくつかの注意点や問題点があります。以下のようなデメリットがあります。

1. 他の株主の権利が弱くなることがある

黄金株をもっている人が会社の大事な決まりを「ダメ」と止めることができるため、他の株主の意見が無視されやすくなるおそれがあります。これにより、少数株主の権利が損なわれることがあります。

2. 公正さや透明性への不安

特定の株主(たとえば政府や親会社)だけが強い権利をもっていると、「その会社はフェアじゃないかも?」と投資家が不安になることがあります。これが、株価の評価に悪影響を与えることもあります。

3. 経営の自由が制限される

経営陣が新しいことを始めようとしても、黄金株の拒否権によってすぐに止められてしまう可能性があります。これにより、会社の動きが遅くなることや、大胆な改革ができなくなることがあります。

4. 敵対的買収だけでなく「友好的な提携」も止められることがある

黄金株は、「敵」だけでなく、「友だち」との良い話し合いまで止めてしまうこともあるため、本当に会社のためになることも邪魔してしまうことがあります。

5. 長く持ちすぎると経営の足かせになる

最初は会社を守るために良い目的で作った黄金株でも、時代が変わると逆に会社の成長をさまたげてしまうことがあります。使うタイミングと見直しがとても大事です。

Q:黄金株と議決権の違いは何ですか?

A:議決権は「決めごとに参加できる権利」、黄金株は「その決めごとを止められる特別な権利」です。

たとえば、普通の株主は「賛成」「反対」と意見を出せますが、黄金株を持っている人は「この決定は無効にします」と一人でも止められる力を持っています。

Q:黄金株はどうやって発行されるの?

A:会社が定款(ていかん)で決めて、株主総会で特別な決議を通して発行します。

これは法律にしたがって行われ、会社法第108条に基づいて「拒否権付種類株式」として制度的に認められています。

Q:黄金株は永久に効くの?

A:いいえ、期限を設けることができますし、必要がなくなれば廃止も可能です。

実際、ある程度の年数で効力を失うようにあらかじめ定めておくことが多いです。これにより、会社が「ずっと縛られない」ようにする工夫がされています。

Q:黄金株を使いすぎるとどうなる?

A:会社のスピードが落ちたり、株主からの信頼を失ったりする可能性があります。

黄金株は「非常ブレーキ」みたいなものなので、使うタイミングと目的をしっかり考えることが大切です。

関連論文

『Golden Shares and Social Enterprise』 by Naveen Thomas

この論文では、米国の社会的企業における黄金株の活用について分析されています。特に、デラウェア州のパブリック・ベネフィット・コーポレーション(PBC)における二重株式構造を通じて、経済的権利と投票権を分離し、独立した財団に拒否権を付与するモデルが紹介されています。このモデルは、企業の社会的使命を守るための新たな所有構造として注目されています。

『An Analysis of the Possibility of Implementing the Golden Share System in China』 by Ruonan Zhang

この論文では、中国における黄金株制度の導入可能性について、特に国有企業の改革との関連で分析されています。黄金株を通じて、政府が少数株主として企業の重要な意思決定に関与し、国家利益を保護する手段としての可能性が議論されています。

『The Case of Golden Shares and Sovereign Investments』 by Daniele Gallo

この論文では、欧州連合(EU)における黄金株の法的側面と国家投資の関係について検討されています。特に、国家が戦略的企業に対して黄金株を通じて特別な権利を保持することの合法性や、EU法との整合性について分析されています。

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